Eveのブログ

NetflixとApple Music のマニアのブログ。

この世に私の居場所なんてない Netflix

もうこの邦題が、B級感も醸し出しつつ、なんか良い言い回し。

 

サンダンス映画祭で審査員大賞を獲りました。サンダンス系の作品が好きなので観てみたら大当たり。定期的に観たくなる作品です。

 

まずポスターの感じからしてベイビードライバーみたい、いやマッドマックス?と思いながらみてみると、どっちよりもなんかかわいい。かわいいって言うのもおかしいかもしれないけど、監督の実体験がもとになっているらしいだけあって等身大ですごく愛おしい。

 

たしかにジャンルでいえばクライムコメディですが、あれよあれよと事態が悪くなっていく点と日常の描写のシームレスさが特徴です。

とにかく主人公のルースはハリウッド系美女ではありません。実績のある女優さんらしいのですが、いい意味でそれを感じさせないフツーすきるルックス。そしてもう1人のメインキャストのトニーも本当はイケメンなんだけど趣味が悪すぎてキモオタにしか見えないところがミソです。2人とも普通の映画だったら絶対主役じやない見た目。でもそれがいい。だって私も卑屈な人間なので、「この世に私の居場所なんてない」って言ってる奴が美男美人でも別になんとも思いませんからね。

 

ルースは唯一親友にさえ、親友の夫にちょっとうざがられてるから頼れないような孤独な状況。そして空き巣に入られたのに警察は何もしてくれない。日常も楽しくない。仕事もおもしろくない。そこで庭に犬のフンを放置していく近所のキモい男に声をかけるわけです。すごい展開。

 

でも、きっと「この世に私の居場所なんてない」と思っていたって、1人誰かが本当に味方になってくれたら、話をちゃんと聞いてくれたら、それだけで居場所があると感じるには十分なんだと思わせてくれる。Netflix作品の中でも極めて地味で、でももっと有名になってもいいと思う良作です。