Andrew Scott (沼にはまりたいとき)
FLEABAGで人気を博したホットプリースト(ホットな司祭)ことAndrew Scott.
ブラックミラー(Netflix)の最新シーズンに出演しているとの情報を得て、早速みてみました。
シーズン5は、マイリーサイラスのファンなのでエピソード3だけ見ていたのですが…
Scottの出ていたエピソード2は号泣してしまいました。1時間にギュッと詰まっているから、飽きる時間もなくのめり込めるのがブラックミラーの良いところです。
Andrew Scott は悲しい役どころなのにまたこんなに優しい表情を見せつけられてしまうとは…
Uber、Twitter、インスタ… SNS時代のための作品で、警察がSNSのエンジニアに技術で負けててマヌケなのはこれ本当にありそう。
この世に私の居場所なんてない Netflix
もうこの邦題が、B級感も醸し出しつつ、なんか良い言い回し。
サンダンス映画祭で審査員大賞を獲りました。サンダンス系の作品が好きなので観てみたら大当たり。定期的に観たくなる作品です。
まずポスターの感じからしてベイビードライバーみたい、いやマッドマックス?と思いながらみてみると、どっちよりもなんかかわいい。かわいいって言うのもおかしいかもしれないけど、監督の実体験がもとになっているらしいだけあって等身大ですごく愛おしい。
たしかにジャンルでいえばクライムコメディですが、あれよあれよと事態が悪くなっていく点と日常の描写のシームレスさが特徴です。
とにかく主人公のルースはハリウッド系美女ではありません。実績のある女優さんらしいのですが、いい意味でそれを感じさせないフツーすきるルックス。そしてもう1人のメインキャストのトニーも本当はイケメンなんだけど趣味が悪すぎてキモオタにしか見えないところがミソです。2人とも普通の映画だったら絶対主役じやない見た目。でもそれがいい。だって私も卑屈な人間なので、「この世に私の居場所なんてない」って言ってる奴が美男美人でも別になんとも思いませんからね。
ルースは唯一親友にさえ、親友の夫にちょっとうざがられてるから頼れないような孤独な状況。そして空き巣に入られたのに警察は何もしてくれない。日常も楽しくない。仕事もおもしろくない。そこで庭に犬のフンを放置していく近所のキモい男に声をかけるわけです。すごい展開。
でも、きっと「この世に私の居場所なんてない」と思っていたって、1人誰かが本当に味方になってくれたら、話をちゃんと聞いてくれたら、それだけで居場所があると感じるには十分なんだと思わせてくれる。Netflix作品の中でも極めて地味で、でももっと有名になってもいいと思う良作です。
FLEABAG (それでAmazon Primeをやめられない)
最近はモダンラブが良かったといってもやっぱり月額制だったら継続するか迷うくらいのAmazonプライム・ビデオ。個人的にはNetflixの圧勝…だったのだけど
FLEABAGはすごい。強敵でした。
まず、シーズン1は良かったけど、シーズン1だけだったらこんなに好きにならなかった。シーズン2を観て、すぐにまた初めから観たくなって…でもシーズン2でこんなに感動したのはシーズン1があったからなんですよ。シーズン1はこちらにも考えることがいっぱい与えられていて、シーズン2に入ってすこし雰囲気にも慣れてきて、テーマもよりシンプルになるので没入できる感じがありました。
Andrew Scott の演技には反響も大きかったようで、"Hot Priest "で検索すれば色んな反応が見れます。
主演も脚本もやっている方の契約上シーズン3は無いみたいなのが残念で、Netflixオリジナルの彼女の作品も観てみましたがそちらはイマイチでした。絶対にシーズン2ありきで作ってるのに打ち切りです。でもAmazonの方で新しい作品の計画があるとかないとか噂されているようです。
FLEABAGもシーズン2で終わって良い作品でも無い気がしますが、いやむしろシーズン3を待ちたい気持ちも大きいのですが、シーズン2より良い次のシーズンも難しそう…と複雑な気持ちです。
こんなにシーズン2ばっかり褒めてますが、見るならシーズン1からなので、すこしタイトル画像は怖い感じですが観てみてください。
Miss Americana on Netflix テイラー・スウィフト
早速観れました。テイラー・スウィフトのドキュメンタリーです。
テイラーの個人的なシーンも多く、ファンの人はもちろん楽しめるでしょう。
私のように「テイラーのアルバムは聴いてるけどゴシップやエピソードは全部知ってるわけではない」という人にも、テイラーがそれぞれのアルバムを制作しているときの想い(特に最新アルバム)から昔の出来事まで丁寧に説明してくれます。
やはり特に、この作品によって、テイラーが政治的立場を表明した経緯や背景をみんなが知ることができるのは社会的反響も大きいと思います。日本だともっと女性アーティストが政治的立場を明らかにすることは難しいだろうとも思いますが、テイラーのチームの中でもおじさんたちの言動が酷くて観ていられませんでした。それでも、彼女が意見を初めて表明するときのSNSを更新する瞬間に自分も立ち会ったような感覚を味わいました。最新アルバムの曲たちにもその政治的意思が現れていることがわかります。
最近、テイラーがAmerican Music Awards でのパフォーマンスで、これまでのキャリアの中でReputation のアルバムから曲を選ばなかったことが話題になりましたが、この経緯を見ると、裏側はそうなってたのか、と思いました。
昔の話では、若い頃の彼女が晒されてきた世間の勝手な目線やテレビで暴言を吐かれたこと、拒食症ぎみだったことまでが実際の映像や写真たっぷりに語られ、スターの苦悩というやつをどれだけ世間は彼女に強いたかと。そして女性であることがアーティストとしての活動にどれほど社会的に不利かということまで描かれています。テイラーのことを積極的に好きじゃなかった女性も、これを見たら見方が変わるかもしれません。音楽的評価とは別に、世間がどう彼女をジャッジしてきたか、それはあまりにも酷な現実でした。
音楽の制作風景はそれは単独でも見応えがありますが、このようにストーリーを持って映し出されるとまた違いますね。
テイラーの最新アルバムをちゃんと聴こうと思いました。
セックス・エデュケーション2
大事に観たいな…と思っていたのにやはりイッキ見してしまったこのシーズン。
恋愛や人間関係的ストーリーもすごく好きなんだけど、やっぱり今シーズンのハイライトは女性の団結だろうか。。
新キャラも続々登場しつつ、前のシーズンからいた人物の掘り下げもあり、よくここまで複雑にできるな…と思う一方、その複雑さを視聴者に煩わしいようにはしないところがすごい。たぶん紙に書き出したらすごい相関図になってしまうのだけど、観ている分にはそこまで負担ではない。(gleeなんかではもはや誰と誰が付き合ってたか全部は思い出せない、みたいな感じだったけど)
もう一つの大事な場面はアフターピルを買うところかも。日本では病院に行かなきゃいけなくて、ジェネリックで半額になっても1万円します。高校生が「今日の放課後行こう!」とはならないんじゃないかっていう状況なので。また男の子も付いて行って飲む時も一緒にいるのは大事ですね…
「性教育」っていうタイトルのくせになんでこんなに面白くできるんだろう、ってくらい面白いです。あとエイサバターフィールドの眼はいつもなぜあんなに吸い込まれそうな透明感なのか…
"性"をダイジェスト Netflix
"こころ"版を観た方も多いのではないだろうか。原題では"Explained" というシリーズで、文字通り何かを"説明"するもの。ドラマではなく、当事者へのミニインタビューを交えて1つのトピックを解説していき、著名な出演者はほぼなし(ナレーションは第1弾をEmma stone、第2弾をJanelle Monáeがつとめる)。
とくにJanelleのナレーションは秀逸なので、彼女のファンにも観て欲しい。
さて、今回の内容で注目したのは「避妊」と「出産」。
「出産」の回では日本が無痛分娩をあまりしない国の代表として使われたいる。有名な話。
「避妊」の回はもう全ての日本人が観るべきなのだが、1番面白かったのはヤーズという避妊薬の話。2000年代にUSですさまじい人気を博した新しい薬は、血栓症という副作用での訴訟が相次ぎ最近は人気がおちついている。その薬は、日本でも最近Twitterで有名になったが、120日間生理を止められる薬として新たに売り出されている。あまり知られていないが、妊娠すると血栓症になるリスクが高まり、避妊薬で引き起こされるリスクは妊娠することで得るリスクよりも低い。その数字が裁判でも用いられ、今でも世界中でその薬は飲まれている。
男性用避妊薬がなぜ開発されないか、それは同じような副作用が心配されるから。ではなぜ女性の副作用は許容されなければいけないのだろう?
もっと悲しいのは、そんなUSの状況でさえ日本よりはずっとマシであることだ。
日本では避妊薬は普及していない。バイアグラは半年で承認されたのに、ピルは承認に30年かかったという歴史もある。日本では避妊用ピルと月経困難症治療用のピルを何故か分けて販売しており、「避妊用なのに安い方が欲しくて嘘をつく女がいるだろう」という差別のもと、保険適用のピルの原価を何倍にも引き上げられた。そして結果的に保険適用と適用外で値段が変わらないという、謎しか残らない現状になっている。いや、海外では無料のところも多いのに、時代遅れにもほどがある。
これを知っている人はどれだけいるだろう?
この回を観て、副作用が気になってしまう人も多いだろう。日本では子宮頸癌ワクチンさえ、不確かな副作用騒動に振り回されて接種の機会を失い、死ぬ人が出ると見込まれる。
たしかに、女性だけが避妊に関するコストを負担させられる現状は正しくない。(海外では処方箋なしで無料で貰えることすらあるのに)通院のための時間と費用はのしかかってくる。だけれども、望まない妊娠することは何より大きいリスクになりうる。日本の女性が、それでもまだ不十分ではあろうが、世界基準くらいには自己決定権を行使できる状況にならなければならないと思う。そしてNetflixは海外の情報を得るための有効なツールの1つになっている。
Harry Styles "Fine Line" すごい売れてるね…!
ここのところずっと"Adore you"をリピートしています。
この曲を知ったのはBBC Radio1 のin the Live LoungeのTwitter動画でした。(Youtubeでフルバージョンが見れます)
BBC Radio1のこのシリーズがすごく好きで、その時プッシュしてる曲だけでなく、カバーも一緒に何曲かやります。そして大体はスタジオミュージシャンを従えたりして生演奏的を大事にしている感じがします(事前録音の歌をかぶせたり、カラオケを流すだけっていうのはあまりない) 。バンドだと、そのメンバーだけのときもありますが。
それで、最近のハリーは女性コーラスがあることが多くて、このバージョンだとほぼ女性ミュージシャンがバックで演奏しています。これがすごくいいんですよね…タンバリンの人とか…アルバムバージョンよりライブバージョンのほうが断然いいです。気怠げなテンポなのでライブのほうが動きが感じられていいんでしょうか。
ハリーの歌声はライブで聴いてて、CDと一緒じゃないところが魅力です。CDより上手いってわけでもないんですが、やっぱりライブのほうが声の力が伝わってくるというか、そんな感じです。
このアルバムのプロモーションで歌った映像はYoutubeにたくさんアップされていますが、特におなじみLate Late show のCrosswalk(横断歩道で歌うやつ)が面白い!「ジェームズコーデンのほうがハリーのレコード会社より良くプロデュースできてる」みたいなコメントがあったくらいです笑
またYoutubeを見ていて目立つのが、おそらく女性ファンの「1Dの時には別に好きじゃなかったのに、最近のソロのハリーから目が離せない。色気がすごい…」みたいなコメントです。
よくキャッチコピーとして言われている「ボーイズグループの一員からアーティストに」っていうのは褒め言葉なのかどうかわかりませんが(ボーイズグループを馬鹿にしてるっぽく聞こえるので)、たしかに私もワンダイレクションは知ってるレベルでしたが、ソロのほうが聴いちゃってます。
そしてソロになってからはいわゆるフェミニンな服も着こなしていて、それも好感を得ているようです。
Adore youのMVは結構謎すぎるストーリーなのですが、使われているモチーフとしてテレビで歌うときのバックスクリーンによく魚が出てきます。サビの第一声が" I'd walk through fire for you" (君のためなら火の中も歩く)ですし別に全然魚の歌でもないのに、背景が魚の大群だったりするのもなんかウケます。必見。MVはちゃんと全編和訳が丁寧についてるので、和訳を知りたい方はMVみてもいいかもしれません。(ただしストーリーは謎。)